※本記事は理学療法士であり、認定ストレングス & コンディショニングスペシャリストの資格(C.S.C.S.)を持つトレーニングコーチであるダン・ジョルダーノによる監修記事です。
《目次》
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◇プロトレーナー(C.S.C.S.)監修記事
デスクワークやクルマの運転など、座っている時間が長いと身体の節々が痛くなる…そんなときってありませんか? もしかしたらそれは、モビリティ(筋肉の柔軟性と関節の可動域の広さ)に問題が起きているからかもしれません。
そんな皆さんのために、「メンズヘルス」日本版ではフォームローラーの選び方とおすすめ10選を紹介しています。それに加えて本記事では、理学療法士でもあるダン・ジョルダーノによる「フォームローラー(筋膜リリース)の正しい使い方」として6つのヒントと留意点を含んだ、日々のモビリティ改善プログラムをご紹介します。これは血流や循環の促進を目指し、トレーニングのための可動域を一時的に改善することが期待できるものです。
◇フォームローラーを使うメリット
(それ以上の人も実際多いとは思いますが…)朝9時から夕方5時までの座りっぱなしの勤務で身体が硬くなったと感じている人、一方で重いウエイトを使用した「スクワット」や「デッドリフト」によるトレーニングで、脚を酷使したことによる筋肉痛を感じている人も同様です。このフォームローラーを使用することで、その苦痛を和らげることが大いに期待できるのです。
フォームローラーは筋肉をケアする方法として広く知られていて、正しく使用すれば、フォームローラーはその効果を発揮してくれるでしょう。
「ある部分だけ正しく使用していても、期待どおりの効果は望めません。フォームローラーはジムの定番アイテムとなりましたが、多くの人は正しく使いこなせていないと言えるでしょう。ある人は強く転がしすぎたり、ある人はフォームローリングのプロセスの重要な部分を飛ばしてしまったりと…正しいフォームは広く理解されていない状況のようです」とジョルダーノ。
このような知識の欠如が、フォームローリングのプロセスから筋肉が得られるベネフィットの多くを、妨げてしまっている可能性があるというわけです。
ジョルダーノはフォームロールを正しく使用することで、皆さんのトレーニング効率をより高め、毎日のあらゆる瞬間をより良く感じられるようになることを強く望んでいます。彼は、「フォームローラーを使用することで神経系の抑制を図り、身体にリカバリーする準備を促します。血流を増加させるサポートをし、身体が適切に治癒する方向へと導き、そのことによって次のトレーニングでもパフォーマンスを最適化することができるというわけです」と話しています。
◇フォームローラーの正しい使い方6種とNG例
ただし、このようなメリットを享受するには、以下の推奨事項と禁止事項を守る必要があります。また、ジョルダーノのヒントを参考にすれば、よりリカバリー効果を高めることが可能となるでしょう。
フォームローラーは、運動前と運動後の両方に使うことができます。「各タイミングでそのやり方は少し異なりますが、両方すべきです」と、ジョルダーノは説明しています。
- ウォーミングアップ:15~30秒
- クールダウン:60秒
「トレーニングの前にフォームローラーを使用する場合は、血流を良くして筋肉の緊張をほぐすことを目指し、1カ所につき15~30秒ほど行ってください。それからウォーミングアップを行います。トレーニング後に関しては各部位に1分間ローリングを施し、より念入りに行うといいでしょう」とジョルダーノ。
これはトレーニング前に長時間ローリングをしてしまうと、「神経系が活動の準備を始めることなく、過度の刺激によりダウンレギュレーション(下方制御=過度または継続的な刺激によって、細胞の応答能が低下してしまうこと)に陥り、トレーニング中の力の出力が低下させてしまう可能性があるため」ということです。
フォームローラーを使用する場合は、痛みを感じない程度が理想です。もし痛みを感じるようなら、その部分を少しずらして体重と圧迫の深さを調節しましょう。もっと圧が必要であれば、その際は体重をよりかけてください。
右足を左足の上で交差させ、四の字にした状態で右の臀部の上をフォームローラーで転がしている場合に、強すぎると感じるならば、上の足を交差するのをやめて、体重が加わる圧力を減らし緊張を和らげましょう。「強く押しつけたり、痛む場所を押してしまうと、あざや炎症を引き起こす可能性があります。優しく、体重を適切な圧力へと調整しましょう」と、ジョルダーノはアドバイスします。
「筋膜の位置はずれることがあるので、上下だけでなく左右に転がすことが重要」と、ジョルダーノは言います。筋腹に沿って2、3cmずつ転がして、一度止めてから同じ箇所の筋肉を左右に動かしましょう。
張りを感じるなど不快な部分があった場合には、その部分も左右に行い、ただ食い込ませるのではなく、しっかりと転がすようにして硬さや緊張をほぐしていきます。このやり方がその部分をマッサージしながらローリングして痛みを軽減する方向へ導く簡単な方法です。
「ローラーは、骨や関節には極力近づけないようにしましょう。フォームローラーを骨に押しつけると、打撲の原因となる可能性があるのです」と、ジョルダーノは指摘しています。
しかしながら股関節やハムストリングのような部位には、骨に近い腱の部分で行うことをおすすめしています。これは筋肉と腱の接合部分には神経が通っており、腱にローリングすることで緩和されることが期待できるからです。ジョルダーノは、「骨に触れないように、筋肉組織や腱の上を好きなだけ転がしてください。フォームローラーは骨に触れないようにしましょう」と、再び注意しております。
『ピン&ストレッチ』テクニックは、非常に凝り固まっている部分を緩和するためには最適な方法と言えます。
「大腿四頭筋をフォームローラーで転がしていて、張っている部分を感じたら、その大腿四頭筋をストレッチさせる位置にします。膝を曲げてかかとをお尻近づけて、ローラーを上下左右に動かしながら、ストレッチの姿勢をキープする」と、説明しています。
つまり可動域を移動させることで、痛みを伴っているトリガーポイント部分を解消することができるそうです。
腰へのフォームローリングについてジョルダーノは、効果よりもリスクが上回ると考えています。「腰に痛みがあるときにフォームローラーを背中に当ててしまう人がいますが、圧力をかけて過伸展させることで、関節周辺の筋肉が痙攣(けいれん)してしまうことがあります」と、注意しています。
そして、「このことで腰痛を悪化させてしまう可能性もある」と言います。背中にフォームロールを使用するときには、肩甲骨のすぐ下にフォームローラーを置くようにして、背中の中央から上へと向かって行いましょう。
◇まとめ:動画で一連の流れを確認
Source / Men’s Health US
Translation / Kazuhiro Uchida
※この翻訳は抄訳です。
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