年齢より20歳以上若い脳を持つ“スーパーエイジャー”に学ぶ、ヤングハートの入手法。 | Vogue Japan
ヤングハートを持ちつづけることが可能な、今話題の “スーパーエイジャー”って?Photo: Leks_Laputin / Getty Images Plus「スーパーエイジャーとは、健康的なライフスタイルを維持し、大人になっても好奇心や意欲を失わず、自分の能力より少し高いレベルの挑戦を続けることなどにより、人生を楽しみ、脳を成長させつづけている人たちです」(杉浦先生)。学術的にはっきりとした年齢の定義はないが、実年齢より20歳以上若い脳を保つには、脳に適切な刺激を与える生活を続けること。そんなスーパーエイジャーには、ヤングハートを維持するための大きなヒントがありそうだ。健康的な食生活で、脳から若返りを。歳を重ねても、見た目だけでなく、脳や心の若々しさをキープしたい。そのための大前提が、ヘルシーなライフスタイルの維持。フィジカルな側面からいえば、まず実行すべきは食事を見直すこと。「毎日の食事は、人の健康や見た目だけでなく、脳のパフォーマンスも左右します」(杉浦先生)。炭水化物(糖質)は脳の主要なエネルギー源として必須だが、過剰摂取は認知機能の低下や老化を早める原因に。一方で、長期の糖質制限は死亡リスクを高める可能性もある。脳の構成要素であり、ドーパミンやセロトニンなど神経伝達物質の材料となるタンパク質も重要。また水分を除いた脳の重量の60パーセントを占めるという脂肪も、欠かせない栄養素として挙げられる。脳によい影響を与えるオメガ3系不飽和脂肪酸のDHAやEPAなどを多めに、摂りすぎるとよくない飽和脂肪酸を控えめにするなど、バランスよく摂取することが肝要だという。身体のコンディションを整えて、スーパーエイジャーに。運動も必須だ。その理由は動くことで脳を含めた全身の血流量が上がり、パフォーマンスアップにつながるから。有酸素運動や筋トレなどは、記憶や高度な認知機能を担う部分の能力向上につながるというエビデンスもあるそう。ウォーキングも有効だが、「運動と知的刺激を同時に行うデュアルタスクトレーニングは、脳を鍛えるというデータがありますね」(杉浦先生)。例えば友人やパートナーなどと一緒にウォーキングしながらおしゃべりする、などがそれに当たる。音楽を聴きながら振り付けを覚え、体を動かすダンスも効果的だ。休息も重要視すべきポイント。世界的に見ても睡眠不足ぎみな現代の日本人だが、その現実は、体調や肌のコンディションはもちろん、脳や心にも悪影響を及ぼす。睡眠時間は1日7〜8時間が理想だが、難しい場合は入眠後90分の質を重視すべき。就寝前は、眠りの質や深さを司るメラトニンの分泌量に関わるスマホやパソコン、また残業帰りに思わず立ち寄りたくなるコンビニの眩しい光の刺激なども控え、良質な眠りを確保したいものだ。前向きな心&脳のために知っておくべきメンタルケア。Photo: LAURENCE LABORIE / Trunk Archive / Snapper Images残念ながら、使わないと年齢を重ねるごとに衰えていく脳機能。「確かに神経細胞の数は加齢によって減りますが、細胞同士をつなぐネットワークは適切な刺激により成長しつづけます。スーパーエイジャーの脳では、生涯を通してその成長が見られることも」(杉浦先生)。高齢となっても好奇心を失わず、その刺激によって若々しさを保つスーパーエイジャー。しかし、ネガティブな感情や思考は脳の成長の妨げになる。つまり、より長く若々しさを維持する決め手はメンタル面にもあるということ。「人間のマインドは、身体の変化や老化に影響を及ぼすことが研究でも示されています。“病は気から”といいますが、老化も気から、つまりマインドからといえるでしょう」(杉浦先生)。とはいえ、人間だもの、仕事や人間関係などが原因でネガティブな心持ちに陥ることもある。そんな気分を切り替え、できる自分に変貌するために役立つのが、ポジティブシンキングだ。“自分は若い”と思うだけで身体も反応。知力や体力がアップする。アスリートたちが行っているように、ポジティブなイメージトレーニングを行うのも手だ。自己暗示により、脳の前頭前野が反応。無意識の行動をコントロールし、イメージに適合する行動に導いてくれる。「どう生活習慣に入れ込むかもポイントですね。わずか1分間であっても、自分ができる範囲で必ず毎日行う。具体的なイメージを抱きにくい人は、光に向かって目を閉じ、まぶたを通した光と自分が一体になってゆくイメージを持つのも効果的。ずっと続けることで、自然とポジティブな心情になれるはずです」(名越先生)。今すぐ実践!ヤングハートのためにとるべき行動。さて、多忙さゆえのマルチタスクやデジタル機器の使用による脳の疲れが深刻な現代人。ストレスも健全なメンタルの大敵だ。そんなときには、瞑想で休息を。目を閉じて自分の呼吸に集中する。一つの音だけに集中するのもいい。移動中の電車の中、就寝前のベッドの中で、3分ぐらいをめどにトライしてみよう。消耗した脳も、落ち込んだ気持ちも、きっと回復してくるはず。また、瞑想の他にも、ヤングハートを保つ為にとるべき行動があるという。今すぐ日常に取り入れられる4つの習慣を名越先生と杉浦先生に教えてもらった。1. 複数のコミュニティに属し、いろいろな刺激を受ける。Photo: STEPHANIE RAUSSER / Trunk...